『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』
清水潔
新潮社
2013年12月初版
記者ってすげえ.『桶川ストーカー殺人事件』と同じことを思った.いったいなにが著者を駆り立てるのか.
『釈放されたあの日,菅家さんはマグロの鮨を口に運びながら私に頭を下げてくれた.これまでの日本テレビの報道を知ってのことだった.そんな菅家さんに対して,私は正直な気持ちを口にした.恩など感じてもらったら申し訳ない.だからはっきりと言った.
「いえ,違うんです…….菅家さんが刑務所にいると,どうしても辻褄が合わないんです.私が困るんです.だから排除させていただきました」』p.198
タイトルに「北関東連続幼女誘拐殺人事件」とあるように,著者の関心は冤罪事件「足利事件」でなくて,隠れていた連続殺人事件の真相だ.
そして,驚くべきは真犯人と思われる人物にたどり着いているということだ.そいつが本当に真犯人かどうかは分からないが,菅家さんが冤罪で逮捕されて,凶悪犯は野放しのままだったのだ.そんなことが許されるはずがない.
著者の怒りが伝わってくる.
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