若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か
赤木智弘
双風舎
2007年11月初版
第一章 強大な敵としての俗流若者論
第二章 私は主夫になりたい!
第三章 「『丸山眞男』をひっぱたきたい」ができるまで
第四章 私が戦争を希望する理由
第五章 どうすらば貧困層を救い出せるのか
第六章 「思いやりのある社会」への希望
「『丸山眞男』をひっぱたきたい」(リンク先全文).ずいぶん前に,話題になった論文だ.最近,改めてこれを読んで,日本で最大の問題を思い出した.世代間格差である.
この問題に関しては,城繁幸氏(『内側から見た富士通 成果主義の崩壊』)も有名だ.赤木氏と城氏の唱えることは,おおむね同じだ.雇用の流動性を高めろということだ.
究極の流動化という意味で戦争がある.希望は戦争という言葉が非常にきついので,生理的に反発をする人もいそうだが,その点に関しては本書を読めば納得できると思う.町山智浩がどこかで戦争に参加する権利について言っていたのを思い出した.戦争の下では国民は平等で,逆に言うと,平等であれば皆に戦う権利がある.昔は戦場ではじめて人間扱いされたというような人もいた.
もちろん戦争のない状態で平等である社会の方がいい.著者の求めるのはそういうことだ.
普通に働いている人が既得権益者と言われる社会っておかしいよね.若者に責任があるというおじいさんたちは明らかに誤っているが,社会をつくった高齢者が悪いというのもおかしな気がする.景気がよくなってパイが増えれば問題はすべて解決する.いずれにしろ,パイの縮小していく競争社会なんてろくなもんじゃない.
赤木氏のブログ(赤木智弘の眼光紙背)と城氏のブログ(Joe's Labo)をたまに読むが,当然だが,言うことがけっこう異なっているから面白い.若者の視点を語る両氏と比べて,さらに私は年下だ.それが理由か,両氏の考えにはおおむね賛同するが,私とは温度差を感じるのだ.しかし,それはまだ言語化できない.働いているうちに分かってくるだろうか.
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