2013年6月19日

『ヤバい経営学』

『ヤバい経営学』
Business Exposd: The Naked Truth about What Really Goes on in the World of Business
Freek Vermeulen
元木隆一郎・山形佳史 訳
東洋経済新報社
2013年3月初版
Kindle版

Introduction モンキーストーリー
Chapter 1 今,経営で起きていること
Chapter 2 成功の罠(とそこからの脱出方法)
Chapter 3 登りつめたい衝動
Chapter 4 英雄と悪党
Chapter 5 仲間意識と影響力
Chapter 6 経営にまつわる神話
Chapter 7 暗闇の中での歩き方
Chapter 8 目に見えるものと目に見えないもの
Epilogue 裸の王様

本書は,学術的な研究の結果明らかになった経営についての身も蓋もない事実について記したものである.

企業経営だって結構適当なことがおこなわれているのだ.そう知ると安心する.

一方で,経営なんて誰がやっても大差ないのではないかとも思う.経営者が経営者をしていて,優れた人間であるという態度を取る正当性はどこになるのだろうか.もちろん,舵取り役は必要である.

反対の立場をとらないようにすることは,実は正しい行動なのだ.反対する少数派は,多くの場合,ろくでもない目に遭うという研究結果もある.多数派の人は,結論が出なかったことを理由に,少数派を責めるかもしれない.(中略)もちろん,誰も発言しなければ,反対だと思っている人がいることに気づかない.そうなると,誰も反対していないと結論づけてしまう.その結果,多くの人が反対意見を持っていても,「他の人はこの案を気に入っている」とみんなが思い込んで黙りこんでしまうのだ.
(No.445)

このアピリーンのパラドックスを聞くと,日本人の空気の同調圧力は,別に日本人に限ったことではないのかもしらない.

新しい経営手法も意味がない.戦略も意味が無い.当たるか外れるかは運次第となると,経営学って何だ?論理をこねくりまわして,社会を混乱させているだけじゃないか.でも,ゲームとしては面白いのだから,それはどんどんやるべきだと思うよ.

大きくなった会社というのは,進化論的に優れた会社が繁栄しているのではなくて,棲み分け論的にたまたまそこにいた会社が繁栄しているだけではないのか.だとしたら,やっぱり経営者を崇める正当性ってあるのだろうか.運のいい人は,天命を受けているということだから,崇めるべきということなのだろうか.

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