2013年6月5日

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』
町山智浩
文春ペーパーバックス
2008年10月初版

序章 アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第一章 暴走する宗教
第二章 デタラメな戦争
第三章 バブル経済と格差社会
第四章 腐った政治
第五章 ウソだらけのメディア
第六章 アメリカを救うのは誰か
終章 アメリカの時代は終わるのか

アメリカのでたらめな側面に関する5ページほどのコラムをまとめた本.時間つぶしにはいいが,一つの話題が深堀りされていないので読み応えはあまりない.

アメリカの残念さを記した本としては,ルポ 『貧困大国アメリカ』 (岩波新書)も詳しい.

夢と希望の国に見えるアメリカも実際にはむちゃくちゃな国なのだ.日本の方がよっぽどマシではないか.それでもこの閉塞感だ.世界に逃げ場所なんてないのだ.

印象的なのは3章にある『ウォルマート,激安の代償』の項である.激安のチェーン店が地元の店を潰して,雇用を破壊するのだ.しかし,ウォルマートの従業員の賃金もまた激安なのだ.資本主義とグローバル化の向かう先は日本でも同様だ.国道沿いにはチェーン店の大きな看板が立ち並ぶが,地元の商店街は寂れきっている.グローバル化が進んだ先に良い社会があるようには思えない.

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