『7大企業を動かす宗教哲学―名経営者,戦略の源』
島田裕巳
角川Oneテーマ21
2013年1月初版
はじめに
第1章 松下電器産業(現パナソニック)
第2章 ダイエー
第3章 トヨタ自動車
第4章 サントリー(サントリーホールディングス)
第5章 阪急電鉄(現阪急電鉄ホールディングス)
第6章 セゾングループ・無印良品
第7章 ユニクロ(ファーストリテイリング)
おわりに
7つの日本を代表する企業について,その経営の奥にある宗教哲学について考察する本.と思って買ったのだが期待はずれだった.イマイチな本だった.会社の歴史を紹介しているだけ.宗教学からの考察をもっと深く行なって欲しかった.企業の理念やその経営の手法について紹介している本は他にいくらでもある.あえて,宗教学者が企業経営について,しかも宗教哲学と銘打って出版するのだから,もっと教団(企業)と信者(従業員)の関係や,教祖(経営者)が信者(従業員)を統率できる理由など,考察できることはあったと思う. というか人が集まるところでは,宗教団体も企業も同じような原理が働いているというだけじゃないだろうか.
でも,確かに松下やトヨタ自動車には宗教っぽさを感じる.本書でも宗教団体と絡めているのはこの2社だけだ.
生きるために人が集まっている共同体は,村社会だ.土着の宗教だってあるだろう.しかし,その村が豊かかどうかと土着の宗教と大きな関係はあるか?人の勤勉さは大切だけど,土地が豊かな村が繁栄するだけなんじゃないの?
松下とトヨタ以外は読むのが苦痛だった.途中で読むのをやめてしまった.何が苦痛って,だらだらとその企業のよく知られている歴史を並べているだけであるところだ.無理やり宗教と絡めようとして,創業者がどこの生まれだとか,何教の信者だと書かれても,そんなんどうでもいいんだよね.本書は買ったのは失敗だった.
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