2013年2月12日

映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』

『モーターサイクル・ダイアリーズ』
監督 ウォルター・サレス
脚本 ホセ・リベーラ
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル, ロドリゴ・デ・ラ・セルナ


若き日のエルネスト・ゲバラとアルベルト・グラナードの南米の旅を描いたロードムービー.ロードムービーでは一番好きかな?久々に見て,若返った.

世の中には,どうしようもないインチキがまかり通っている.エルネストは南米の旅でそれを目撃し,革命を志すきっかけとなった.

特に,チリの銅山での夫婦との出会いは印象的だ.仕事を得るために旅をしているという夫婦に対して,旅を続けるために旅をしていると返すしかない二人.裕福な育ちの二人が,道楽で旅をしているということに,恥ずかしさを覚える.温かい部屋で,映画を鑑賞している私も無性に恥ずかしくなるのだ.この豊かさに負い目を感じる.

『ライ麦畑でつかまえて』などを思い返しながら,高校生の時分のような感性を持ち続けると,革命家になるのだろうか?などと思った.社会は間違っている.それは疑いようのないことだ.当時は,それを正すことができるというような時流があったのかもしれない.

しかし,現在においては,そんなことをいっても仕方ないじゃないかと思うのだ.ルールが間違っているとか言っても,しょうがないじゃない?社会を変えるための気の遠くなるような労力を考えたら,とてもやってられない.一人の人間にはどうすることもできない大きな壁があるのだ.だったら,間違っていようが,そのルールに乗っかった方がいいだろう.べき論なんて語っても意味ねえよ.そんな風に思うこのごろだ.

それでも,間違いが許せないと思う人が,権力を志向したりするのだろうか.私には無理だな.立ち向かっていく情熱と行動力と精神力を持ったゲバラのような人は,本当に偉大だ.


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