『群青学舎』
入江亜季
ビームコミックス
全4巻
咲坂伊緒が好きなマンガとして挙げていたので気になって読んでみた.学校にかぎらず,様々な時代や場所を舞台とした物語の連作短編集である.こいつはすげえや.
「群青」と付くように青春っぽい香りのする話である.青春っぽい香りというは,つまり郷愁とか憧憬とかそういったものだ.そういうぼんやりとしたものが本書からは醸しだされている.しかも,プンプン臭うのではなく,ほのかにフワ~っと漂ってくるのだ.それが心地よい.
何がそれを醸し出しているのかというと,画の力だ.精緻な筆致は,引き込まれるようだ.ページをめくるたびに現れる,一枚一枚の画が支配力を持っている.画集としてもすばらしい.
こういう詩的な美しさを持っているマンガというのは,なかなか出会えない.すごいのを発見した.
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